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【本の紹介】オービタルクラウド

 今回は夏休みに読んだオービタル・クラウドという作品をご紹介します。

(ビジネス書以外にも小説もよく読んでいます。)

 私の読書傾向としては、小説60:ビジネス書40という感じです。

小説だとミステリー(推理もの)を読むことが多いですね。

今回取り上げたオービタル・クラウドはSFなのですが、伊藤計劃をはじめSFも結構読みますので、今後はミステリーやSFも追々ご紹介できればと思います。

 

今回ご紹介しているオービタル・クラウド。作者の藤井さんはソフトウェア会社でエンジニアをされていた方で作中に描かれている、IT系の話は非常にリアリティがあります。特に主人公の相棒である女性が活躍する様なんかは作者の思い入れを感じさせます。

 

さて、本書の内容に軽く触れてみます。

近未来の世界(2020年)が舞台で、主人公はフリーランスでシェアオフィスで働いており、流れ星を予測するサイトの運営を行っております。ふとしたことからイランのロケットが異常な動きをしていることに気づいたところから、物語が急展開を迎えるといった流れです。

本作の魅力の一つは作中に出てくるロニー・スマークという人物が行おうとしている宇宙旅行の実証実験です。名前の語感的に某イーロン・マスクを意識したような人物であり、近々現実的になるであろう宇宙旅行のあり方を想像させます。

個人的にはテクノロジーオリエンテッドな作品は技術好きな一部の人間にしか受けないのが残念に思いますが、リアリティのある作品は現実のビジネスに着想を与えてくれるのでよく読んでいます。(私が技術オタクなだけなのか?)

 

衛星と地上のセンサーが連携すれば、今まで観測できなかった異常気象や人、車の移動データが集積でき、渋滞や天災発生時の避難情報などがより正確に回避、避難が可能になる可能性があるので、衛星開発の実態や近未来を知りたい方には非常に参考になる作品なのではないかと思います。

次回も何か頭の体操になりそうな小説を紹介できればと思いますが、人の根底(主に胸くそ悪くなる賤しさ)を知れるミステリーも人間を知る上で非常に興味深いので、幅広くご紹介していきたいと思います。